女性のための官能小説 「イルベント エレローゼ 愛するということ -KOKO-」 公開連載第24回 黒髪のアマン24(生きた媚薬4) 「……ん…」 落胆と、 強い欲情が 同時にこみ上げてきて、 青年をさいなむ。 「……KOKO……、 君は本当に…… 意地悪だ……」 ……答えをかわされた。 そう思うと、 腹が立つのに、 目の前の 魅力的な唇に 逆らえない。 「それとも、僕を焦らして、 愉しんでる?」 駆け引きや、 甘ったるい愛の囁きとは 違う声が、 自分の喉から 絞り出されるのが わかった。 自分の声とは思えない。 他の女に同じセリフを告げたことがある。 けれど、そのときは、 こんなふうに、 鼻の奥は つんと痛まなかったし、 胸をかきむしるような想いが 全身に 広がることも なかった。 言葉遊びではない 愛の囁きが、 こんなに胸を 焦がすものだったなんて、 知らずいたことにも 気づかなかった。 あのイチゴの奥には、 キュートな赤とは違う、 淫らな色の舌が 隠れているのだ。 彼女の答えが聞きたい。 彼女に 自分だけを 愛していると 言わせたい。 続きをみる
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